コロナウイルスとビタミンD

コロナウイルスとビタミンDについての記事から引用
コロナウイルス病2019の感染と死亡の予防におけるビタミンDの役割
著者:Ilie他
背景/目的:WHOはSARS-Cov-2を世界的なパンデミックと宣言しました。本研究の目的は、さまざまな国におけるビタミンDの平均値と、COVID-19によって引き起こされたそれぞれの症例の死亡率との間に何らかの関連があるかどうかを評価することです。
方法:COVID-19に起因する罹患率と死亡率に関するデータも取得しているヨーロッパ20か国のビタミンDの平均値を特定しました。
結果:各国のビタミンDの平均レベル(平均56mmol / L、STDEV 10.61)は、症例数/ 1M(平均295.95、STDEV 298.73 p = 0.004、死亡率/ 1M(平均5.96、 STDEV 15.13、p <0.00001)。
考察:特にスペイン、イタリア、スイスでは、ビタミンDレベルが非常に低い高齢者は、COVID-19に最も脆弱な集団ということが分かりました。
結論:SARS-CoV2感染から保護するために、ビタミンDの補給が推奨されます。
引用元:https://www.researchsquare.com/article/rs-21211/v1
高齢者のCOVID-19重篤患者に対するビタミンD、マグネシウム、ビタミンB12(DMB)の組み合わせの効果を評価するコホート研究[1]
Tan他
目的:DMBを受けた高齢のCOVID-19患者の臨床転帰[2]を、受けなかった患者と比較して判定する。我々は、DMBを投与された患者の方が、投与されていない患者に比べて、酸素療法および/または集中治療サポートを必要としないと仮定した。
方法論:高等教育病院で50歳以上のすべての連続入院COVID-19患者で、DMBを受けた患者と受けなかった患者をコホート研究にて、比較した。患者は酸素療法を必要としない場合、入院時に経口ビタミンD3 1000 IU OD、マグネシウム150mg ODおよびビタミンB12 500mcg OD(DMB)を投与された。
結果:2020年1月15日から4月15日までの間に、50歳以上の43人の連続したCOVID-19患者が確認された。 17人の患者はDMBを受け、26人の患者は受けなかった。 2つのグループ間の基本的な人口統計学的特性は類似していた。対照群よりも、有意に少ないDMB投与患者が、入院中ずっと酸素療法の開始を必要とした(17.6%⦅DMBあり⦆対61.5%⦅DMB無し⦆、P = 0.006)。
結論:COVID-19の高齢患者におけるDMBの併用は、酸素療法および/または集中治療支援を必要とする臨床的悪化を伴う患者の割合の大幅な減少と関連していた。
引用元:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.06.01.20112334v1
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の 治療と予防に関する栄養学的提言
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
COVID-19 においても微量栄養素の欠 乏が指摘されることが多い高齢者に発症や重症化症例が少なくなく、ビタミン D 欠乏が発症 および増悪因子の一つになっていることが推測される。